「アジア3R推進市民フォーラム・日本大会」ステートメント

 

 2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故は、死者・不明者計2万人に及ぶ未曽有の大惨事となりました。地震・津波により発生したがれきの量だけでも2,300万トンと日本全体の廃棄物発生量の半年分にも相当し、放射性物質に汚染された廃棄物・汚泥の処理といった前例のない困難な事態が生じています。アジアをはじめ世界各国から、物心両面で多くの支援をいただきましたことに感謝申し上げます。

 私たちは、復興に向けて、各主体の協働でこの課題に挑まなければなりません。

 3月11日の大震災から約半年になる9月3日、循環型社会構築に取り組む日本の17市民団体は、「アジア3R推進市民フォーラム・日本大会」を開催しました。シンガポール環境評議会から激励のメッセージをいただき、中国からも参加者を得て開催できたことに感謝します。

◆私たち「アジア3R推進市民フォーラム・日本大会」に集った市民団体は、「ゼロ・ウェイストのアジア」をめざして、くらしや地域での3R実践を推進し、アジアにおける草の根の連携を強め、行政や企業とも協働しながら、持続可能な循環型社会の実現に向けて活動することを確認しました。

◆近年アジア各国は、急激な経済成長によって「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の無駄の多い生活様式が主流になりました。これに伴って大量の廃棄物が排出され、環境汚染の蔓延、地球温暖化などが引き起こされ、廃棄物最終処分場の適正管理や逼迫などの課題に各国の市民は共に直面しています。

 その解決には、リデュース(発生抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)という3Rの優先順位と拡大生産者責任に基づいた政策づくりと、市民・企業・行政が各々の役割を実践することの重要性を確認しました。

 また、市民としての実践的な取り組みはもちろん、国際的な資源循環のあり方に関心を持つことの重要性も、認識しました。

◆今回の日本大会では、ゼロ・ウェイスト宣言をした町、徳島県上勝町の先進事例を具体的に共有すると共に、各NGOがこれまでの活動で得た、多様なステークホルダーとの「連携と協働の成果」をテーマに話し合いました。

○人口2000人の上勝町は、2020年に焼却・埋め立て処分ゼロをめざしています。住民の創意工夫が加わり、くらしの3R実践が町全体に広がっています。

○容器包装の発生抑制のための環境配慮設計を進めるためにも、市民が忘れがちだったモノづくりへの感謝と敬愛の気持ちを呼び戻して、“もったいない文化”を育むために、企業と市民の連携が進んでいます。環境負荷の少ない商品を選ぶ賢い消費者を育てるため、消費者団体・NGOが、企業の生産現場やリサイクル工場見学、商品の一生の学びなども実施され、3Rの実践を伝える人材を、企業・行政・NGOの連携で育成する動きもあります。なお同時に、企業や行政の適切な環境配慮商品の情報提供も重要です。

○市民も家庭などの身近な生ごみコンポスト化を進めて、地域の資源循環を促進し、食料や植物エネルギーの確保で地域の自立を目指す動きも進んでいます。コンポスト化の経験や知見の交流をめざして、NGO間や市民と事業者、行政の連携も進んでいます。

○繊維製品の多くは可燃ごみとして焼却されており、家庭から回収してリサイクルショップで販売したり、工場でウェスにしたり、バイオエタノール化でエネルギー活用するなど、研究者の技術開発と企業・行政・NGOの連携による、脱可燃ごみ化が進展しています。

○国内NGOのネットワークづくりに限らず、国際的な平和の基盤づくりをめざすNGOも多く、アジアの仲間と連携を強め、アジア域内の廃棄物による環境汚染を防ぎ、課題解決に当たることの重要性を認識しました。

■アジアにおける循環型社会の実現に向けて、2011年10月にシンガポールにて、政府と国際機関による「アジア3R推進フォーラム」が開催されることを歓迎します。

  「ゼロ・ウェイストのアジア」実現に向けて「アジア3R推進市民フォーラム」の草の根の経験と知見を各国が積極的に活用することを願っています。

 2012年6月に開催される「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」にも、今回のアジア3R推進市民フォーラムで討議された事が、反映されるよう求めていきます。

2011年9月3日

「アジア3R推進市民フォーラム」第3回日本大会 参加者一同

アジア3R推進市民ネットワーク

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アジア3R推進市民フォーラム(2011年)